車中で隣の人の足を踏んでも、踏んだ人は往々に気が付かないですが、踏まれた方は当然「痛い」と感じます。アジア・太平洋戦争で私たち日本が犯した人権蹂躙は、蹂躙された人たちが感じている痛みを基準に対応することが、必ず必要です。私たち「踏んだ側」「蹂躙した側」が、安易に謝罪や補償は十分などと主張すべきではありません。
ヨーロッパ諸国に比べてアジア諸国、特に東アジア圏では国々の共生が大変遅れています。私たちは歴史を相手の視点から見直し、真摯な態度で共通の未来を積極的に志向することは、日本にとって極めて大事な事柄です。
私たちはもっと声を上げるべきなのでしょう。
大橋正明
(ヒューマンライツ・ナウ理事、聖心女子大学教授、JANIC理事、日本NPOセンター副代表理事、
アーユス仏教国際協力ネットワーク理事)