ヒューマンライツ・ナウ未曽有の人権侵害を多くの人にもたらした第二次世界大戦と日本の終戦から70年。
日本では、歴史の歪曲の動きや戦争に再び向かう動きが進んでいます。

国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、
第二次世界大戦で起きた人権侵害、特に日本が引き起こした人権侵害について私たちがどう向き合い、
過去を踏まえてどういう国であるべきか、について、
様々なジャンルで活動されている方からメッセージをいただいて紹介します。

安田 菜津紀 – フォトジャーナリスト

安田 菜津紀
フォトジャーナリスト

言葉を紡ぐとき、写真を選ぶとき。いつも心がけているのは、受け取った方が「明日も生きたい」と思えるかどうかです。棘のある言葉に疲れたり、耳をふさぎたくなったりした方が、少しでも心が休まるように。そんな願いを込めて、これから…

後藤 弘子 – 千葉大学大学院教授

後藤 弘子
千葉大学大学院教授

戦争は、歴史として語りついでいくものだと思っていた。もちろん、これまでも、平和維持活動として、自衛隊が海外に駐留したことはあった。しかし、それは、これから日本が歩んでいこうとしている道とは、まったく異なる。自衛のため以外…

谷山 博史 – 日本国際ボランティアセンター(JVC) 代表理事

谷山 博史
日本国際ボランティアセンター(JVC) 代表理事 

世界には巨大で構造的な不条理が存在します。多くの場合それは格差や差別の構 造として現れますが、すべての市民が自分の問題として向き合わなければならな いにもかかわらず自分たちはまだましだ、として無関心のベールに覆われたまま…

野中 章弘 – 早稲田大学政治経済学術院ジャーナリズム大学院教授/アジアプレス・インターナショナル代表

野中 章弘
早稲田大学政治経済学術院ジャーナリズム大学院教授/アジアプレス・インターナショナル代表/ ジャーナリスト/プロデューサー/HRN理事

 70年代からアジアの戦争や紛争地を取材しながら、軍による暴力の実態を現場で目撃してきた。ハッキリと断言できることは、人権を侵害する最大の主体は国家であり、実行するのは国家に専有された暴力装置としての軍であるという事実だ…

「敗戦から70年、今こそ、『慰安婦』問題に向き合おう」池田 恵理子 -アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」wam 館長

池田 恵理子
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」wam 館長

「慰安婦の強制連行の証拠はなかった」として日本軍の関与を否定し、アジア・太平洋戦争を「アジア解放の正しい戦争」とする安倍首相の下、今の日本は「戦争ができる国づくり」を着々と進めています。敗戦から70年、曲がりなりにも日本…

谷口 真由美 – 大阪国際大学准教授、全日本おばちゃん党代表代行

谷口 真由美
大阪国際大学准教授、全日本おばちゃん党代表代行、HRN会員

70年前、日本は連合国との戦争に敗けた。今年は「終戦から70年」と、マスコミの報道をはじめ、個人のSNSでもたくさん書かれていた。正しくは「敗戦から70年」なのでは?と引っかかる。日本語の良いところでもあり、悪いところだ…

「日本軍『慰安婦』問題から振り返る、戦後日本の民主主義と安倍晋三」岡野 八代

岡野 八代
同志社大学教員・京都96条の会代表

韓国で元日本軍「慰安婦」であったと金学順(キム・ハクスン)さんが告発されたのは1991年でした。当時学生だったわたしは、それ以来、日本軍「慰安婦」問題の解決のためにはなにが必要か、なぜ、戦争に加担したわけでもない、自分た…

「戦後70年を迎えて」阿古 智子 – 東京大学准教授、現代中国研究

阿古 智子
東京大学准教授、現代中国研究

私の家は、祖父母も親も戦争に行かなかった。母は兄弟8人、父は兄弟10人の大家族で、どちらの家族も貧困に苦しみ、父はしばしば、自分だけ林間・臨海学校に行けず、給食が食べられなかったこと、鍋の中の少しの肉を兄弟でけんかして取…

中野 晃一 – 上智大学教授

中野晃一
上智大学教授

戦後50周年の節目に社会党の村山富市さんが総理大臣であったことを、かつて自民党の野中広務さんは「天の配剤」だったと述べました。それに対して、70周年となる今年、安倍晋三という人物が総理の座に居座っていることが、日本の戦後…

大橋 正明 – ヒューマンライツ・ナウ理事・JANIC理事

大橋 正明
ヒューマンライツ・ナウ理事、聖心女子大学教授、JANIC理事、日本NPOセンター副代表理事、アーユス仏教国際協力ネットワーク理事

車中で隣の人の足を踏んでも、踏んだ人は往々に気が付かないですが、踏まれた方は当然「痛い」と感じます。アジア・太平洋戦争で私たち日本が犯した人権蹂躙は、蹂躙された人たちが感じている痛みを基準に対応することが、必ず必要です。…

辛 淑玉 – 人材育成コンサルタント

辛 淑玉
人材育成コンサルタント

特定秘密保護法が施行され、情報の管理者を決める名目で、 「出自」が国家の敵とされることになった。 いつでも、「敵」として扱われる存在の一つが「在日」だ。 「良い韓国人も悪い韓国人も殺せ」と叫ばれ、国家のイデオロギーと大衆…

志葉 玲 – ジャーナリスト

志葉 玲
ジャーナリスト

昨年の夏、私はイスラエル軍の猛攻撃を受けていたパレスチナ自治区ガザにいた。避難民が集まる国連学校への攻撃、救急車や病院への攻撃、がれきの山と化した市街地…まさに戦争犯罪のオンパレードだった。ガザ取材を終え帰国した私を驚か…

「謙虚に歴史と現実を見つめよう―アジア・世界の平和と日本の岐路―」申 惠丰

申 惠丰
HRN理事/青山学院大学法学部教授、国際法・国際人権法

第二次大戦終結から70年。日本は戦後、廃墟から見事に復興して発展を遂げ、いわゆる先進国の一員として、人権保障を含む国連の活動への分担金支払い、途上国への開発援助を含め多方面で国際的に多大な貢献をしてきた。紛争解決の手段と…